建設業簿記
建設業簿記は、通常の一般会社の経理処理とちがって、工事ごとの原価を重視します。
月次決算の処理で、完成工事高、未成工事支出金の金額を計算するために、その工事が完成したのか、まだ未完成なのかを調べます。
営業または工事担当者から工事完成の報告を受けたら、売上高は完成工事高として計上し、当月の完成工事高として集計されます。
そして、その工事にこれまで未成工事支出金として計上されてきた原価は、完成と同時に当月の原価に振り替えられます。
振り替えの仕方は、各会社の採用している原価計算システムや財務会計システムの操作の仕方に影響されます。私の会社では、財務会計ソフトが弥生会計なので、そのサブ会計システムとしてレッツ工事台帳という原価計算ソフトを使っています。
今では会計ソフトは安価になってきましたが、原価計算ソフト(工事台帳作成ソフト)は相変わらず、80万円から100万円はしますね。
高額な原価計算ソフトは、予算的に導入が難しかったので、レッツ工事台帳という安価なソフトを使うことになりました。金額はライト(簡易版)なら30万円ほどでプロ(全部込み)は、50万円ほどです。金額はレッツの営業担当者との交渉であったり、キャンペーン期間中の価格帯が適用されたりして安くなるようです。
ただし、工事台帳を安いか高いかで大きく分けると、
| 金額 | 安価 | 高価 |
| 操作性 | やや難 | 良好 |
| イメージ | 蒸気機関車 処理の仕方を間違えないように熟練した人が必要 |
電車 誰でもすんなり入れそう |
| 帳票 | 自分好みの欲しい帳票は汎用データとしてエクスポートしてエクセルで作成するしかない。 | 管理に必要な帳票が多くある |
※レッツ工事台帳は、安価ながら短いスパンでマイナーチェンジしており、どんどん利用者の要望が取り入れられている成長性のあるソフトです。
そして、サポート電話は、ほぼ待たされることなくつながりますので、ストレスはないです。
また、財務会計ソフトに弥生会計を使用している会社はかなり多いと思いますが、レッツから売上や仕入れデータを弥生会計の振替伝票に変換して転送できるところは重宝します。(この操作は弥生以外の会計ソフトでも対応しています。)
こういう原価計算ソフトがあると建設業簿記も楽です。
建設業簿記では、期間損益を算出するのに完成した工事(出来高計上された工事含む)のみの売上高と売上原価を算出し、その差額である粗利を算出し、そこから直接工事と関係ない一般経費や営業外費用(借入利息)を差し引いて経常利益を算出します。
ここで正確な粗利を計算するためには、工事を完成と未完成に分けることが大事です。
官公庁の場合は、工事契約書に工期が書いてあり、工期終了後官公庁の検査が終われば、ほとんど完成工事として取り扱っています。もちろん月次決算で出来高で進捗度によって売上高を部分計上することもあります。その場合、原価と対応するように注意しています。
民間工事の場合は、請求書を発行したら完成工事としています。(余談ですが、工事代金引当の銀行借入時に完成した工事については請求書を提出するようにいわれることがあるので、そんなときもすぐに提出できます。)
とにかく、完成していない工事の原価(仕入先からきた請求金額や工事社員の労務費等)は売上原価に算入しないよう未成工事支出金(仕掛品)として処理し、費用にならないようにします。